それぞれの場所に漂う美しさに心を向ける

建築に求められるものは千差万別ですが、人と場所がまとっている目には見えない心地よさを心身で感じられる形にすることが、大工の仕事です。好きな料理だけを並べた食卓が栄養バランスに乏しいのと同じように、建築においても大切なのは、大切なことがさりげなく際立つように、全体のバランスを適切な形に納めることです。ワタナベ建築は、それぞれの場所に漂う美しさに心を向け、些細なところに積極的に手間を加えることで、何気ない毎日の中に心地よい時を生み出すお手伝いをさせていただいております。

新しいものを変わらぬものへ

親しい人の心配りはいつも些細なことですが、その積み重ねが日々の過ごしやすさを生み出しています。さりげなく揃えられた靴、いつ袖を通しても肌触りの良い服、健康を支えてくれる毎日の食卓、それらは一見地味でありながら暮らしを支える根っこのような存在です。それと同じように、素材の手触りや、光の取り入れ方、景色の切り取り方にこだわることは、飽きの来ない心地よさに繋がります。流行に左右されないデザインとは、表面的な素材の新旧の差ではなく、土地と営みと建築がバランスよく馴染んでいるかで決まります。日々の気遣いが地味であるように、ワタナベ建築の仕事も決して派手ではありません。5年10年が過ぎた時にふと気が付ける変わらない心地よさを目指して、日々仕事に向き合っています。

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